性別と好みの調性の関係
- Koki Ohno
- 11月17日
- 読了時間: 3分

30年の音楽経験から見える「男女の耳の傾向」
「男性と女性で、好きな調や曲の感じ方に違いはある?」これはBGM制作をしていると、企業や店舗からよく受ける質問です。
結論から言うと、性別による調性の好みには傾向がある一方で、“絶対”ではありません。でも、BGM設計の参考にはとても役立ちます。
この記事では、
性別でなぜ好みが変わるのか
男女別に好まれやすい調性
業種別の使い分け方を、30年間の音楽経験とBGM研究の視点からわかりやすく解説します。
なぜ性別で調性の好みが変わるのか?
実は、科学的にも以下のことが分かっています。
✔ 聴覚の敏感さに違いがある
一般的に、女性の方が
高周波数に敏感
声やメロディの滑らかさに敏感と言われています。
そのため、柔らかく明るい調性を好みやすい傾向があります。
✔ 感情の反応が違う
研究では、
女性はメロディ・情緒に反応
男性はリズム・構成に反応という傾向が示されています。
そのため、調性に対しても“雰囲気を感じたい女性”“安定感を求める男性”で好きな音が変わります。
とはいえ、これはあくまで傾向。あなたの業種やターゲットによって柔軟に考えることが大切です。
性別で見た「好まれやすい調性」まとめ
◆ 女性が好みやすい調性
女性は次のような調に心地よさを感じやすいです。
Fメジャー(優しく柔らかい、安心感)
Gメジャー(明るくて華やか)
Dメジャー(透明感が強く、ポップでも使われる)
E♭メジャー(丸みのある響き、落ち着き)
共通点は「柔らかさ」「開放感」「安心」。
サロン・カフェ・医療系BGMの女性客向けにはこの辺りが最適です。
◆ 男性が好みやすい調性
男性は “落ち着き” と “安定感” を好む傾向が強いです。
Cメジャー(構造が明瞭、落ち着く)
Aマイナー(シンプルで感情を抑えた雰囲気)
Eマイナー(少し渋く、落ち着いた深み)
Dマイナー(やや内省的で大人っぽい)
共通点は「直線的な印象」「芯がある」「引き締まった響き」。
男性客が多い飲食店、スポーツ系、カーディーラーなどに最適。
業種別:どの性別を狙うならどの調性?
ターゲットを考えると調性選びはさらにハッキリします。
◆ 女性が7割以上の業種
美容室 / サロン
化粧品売場
ヨガ・ピラティス
パン屋 / カフェ
おすすめ:F、G、E♭、Dメジャー→ 柔らかく、店内の空気が明るくなりやすい。
◆ 男性が多い業種
BAR
車屋(ディーラー)
営業職のオフィス
ガジェット系店舗
おすすめ:Cメジャー、Aマイナー、Eマイナー、Dマイナー→ 落ち着きと冷静さを演出しやすい。
◆ 男女比が半々の場所
大型商業施設
ファミリー飲食
書店
おすすめ:Fメジャー、Cメジャー、Gメジャーの中間を使う→ 柔らかさと安定感のバランスが良い。
BGM研究家的アドバイス
調性はあくまで“ベースの方向性”です。実際に大事なのは、以下の3つの組み合わせ:
① 調性(キー)
② 編成(ピアノ・ギターなど)③ テンポ(BPM)
例えば、同じFメジャーでも
ピアノ中心だとやわらかい
ギター中心だと爽やか
ストリングスだと上品
と印象が変わるので、調性だけでなく “音色” をセットで考えるのがプロのやり方です。


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